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障害年金の認定基準(差引認定)の見直しについての議論がスタートしました

2017.06.18
 6/9に厚生労働省において「障害年金の認定基準(差引認定)の見直しに関する専門家ヒアリング」が開催され、その資料が同省ホームページ上で公開されました。

◆専門家ヒアリング 資料
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000167372.html

 このうち、資料3(差引認定基準の見直しについて)の中で以下のような説明がなされています。

【差引認定の仕組み】
 障害年金は、障害の発生ごとに障害等級を認定し、受給権が発生する仕組みとなっているが、身体(眼・耳・肢体)の同一部位に複数の障害が生じた場合、前発障害と後発障害の程度を医学的に切り分けることは一般に困難であるため、『差引認定』という方法により、後発障害の等級を判断している(具体的な方法は障害認定基準で規定)。
→ 診断書等から「現在の状態(複数の障害が混在した状態)」は●級相当と判断。
→「現在の障害の状態(●級相当)」から「前発障害の程度(■級相当)」を差し引き、「後発障害の程度(▲級)」を判断。
【差引認定の課題】
 国会において「差引認定後の支給年金の障害等級が、現在の障害の状態に相当する等級よりも低い等級になる場合がある。」との指摘があった。
【見直しの方向性】
 今般の国会での指摘を踏まえた見直しに当たっては、これまでの経緯を踏まえ、現行基準の基本的な仕組みを維持しつつ、過去の差引認定事例に当てはめたときに、原則として差引認定後に見込まれる支給年金の等級と「現在の障害の程度」が同じ等級となるよう、必要な見直しを行うこととしてはどうか。
【見直しの内容】
①「現在の障害の程度」の範囲内で、後発障害の程度(等級)に対応する差引残存率の評価を見直す(「差引結果認定表」の改正)。
② さらに、「現在の障害の程度」に比べて「前発障害の程度」が軽度であるものについては、「現在の障害の程度」に占める後発障害の影響が大きいものと評価し、「後発障害の程度(等級)」は、「現在の障害の程度」と同じ等級になるようにする。

 今後、パブリックコメントを実施し、通知を発出したうえで改正後の差引認定基準に基づく障害認定の運用を今夏を目途に開始するとのことです。

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