新着情報|犬山市の社会保険労務士事務所【髙木隆司社会保険労務士事務所】
今秋の臨時国会で審議の行方が注目される「改正労働基準法案」。「働き方改革関連法案」とセットで成立なるか?
- 2017.07.17
- 今年の通常国会でも成立せずにまたもや継続審議となった「改正労働基準法案」(平成27年4月3日閣議決定)ですが、今秋に召集予定の臨時国会において「働き方改革関連法案」(同一労働同一賃金、時間外労働の上限規制等)とセットで審議される見込みとなっています。
同法案に関して、先日の記者会見で塩崎厚生労働大臣がコメントしています。
◆塩崎大臣会見概要(7/11)
http://www.mhlw.go.jp/stf/kaiken/daijin/0000170980.html
(記者)
労基法の改正案についてお伺いいたします。国会で継続審議となっております、高度プロフェッショナル制度の導入などを盛り込んだ労基法の改正案について、連合が先日、休日取得や健康管理の厳格化などの修正を求めていくことで方針を固めました。厚生労働省としても調整を進めているということですが、秋の臨時国会に向けて法案の扱いをどう検討されていくのか教えて下さい。
(大臣)
報道につきましては、いろいろな動きがあるような報道があり、そのこと自体はもちろん承知しておりますが、連合からは具体的に何らまだ要請が来ておりませんので、内容について具体的なコメントをする立場ではまだないと思います。継続審議中であります高度プロフェッショナル制度を含めた労働基準法等の改正案については、これは働き方改革実行計画の中で、早期成立を図るということが明記されているわけでありますので、私どもとしては当然それに向けて努力を欠かさないようにしていこうと思っております。実行計画を3月に決定した際に、連合の事務局長が談話を出されました。改正案については、談話の中で「その是正が不可欠である」とされており、今回の修正要請もその延長線上の話ではないかと理解をしております。厚生労働省としては早期成立が大事でありますので、連合の御意見もしっかりとお聞きをしながら、前に進めていきたいと思います。
いよいよ法案が成立するのか、今後の動きが非常に注目されます。
<改正労働基準法案の内容>
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/soumu/houritu/dl/189-41.pdf
Ⅰ 長時間労働抑制策・年次有給休暇取得促進策等
(1)中小企業における月60時間超の時間外労働に対する割増賃金の見直し
●月60時間を超える時間外労働に係る割増賃金率(50%以上)について、中小企業への猶予措置を廃止する。(3年後実施)
(2)著しい長時間労働に対する助言指導を強化するための規定の新設
●間外労働に係る助言指導に当たり、「労働者の健康が確保されるよう特に配慮しなければならない」旨を明確にする。
(3)一定日数の年次有給休暇の確実な取得
●使用者は、10日以上の年次有給休暇が付与される労働者に対し、5日について、毎年、時季を指定して与えなければならないこととする(労働者の時季指定や計画的付与により取得された年次有給休暇の日数分については指定の必要はない)。
(4)企業単位での労働時間等の設定改善に係る労使の取組促進(※労働時間等の設定の改善に関する特別措置法の改正)
●企業単位での労働時間等の設定改善に係る労使の取組を促進するため、企業全体を通じて一の労働時間等設定改善企業委員会の決議をもって、年次有給休暇の計画的付与等に係る労使協定に代えることができることとする。
Ⅱ 多様で柔軟な働き方の実現
(1)フレックスタイム制の見直し
●フレックスタイム制の「清算期間」の上限を1か月から3か月に延長する。
(2)企画業務型裁量労働制の見直し
●企画業務型裁量労働制の対象業務に「課題解決型提案営業」と「裁量的にPDCAを回す業務」を追加するとともに、対象者の健康確保措置の充実や手続の簡素化等の見直しを行う。
(3)特定高度専門業務・成果型労働制(高度プロフェッショナル制度)の創設
●職務の範囲が明確で一定の年収(少なくとも1,000万円以上)を有する労働者が、高度の専門的知識を必要とする等の業務に従事する場合に、健康確保措置等を講じること、本人の同意や委員会の決議等を要件として、労働時間、休日、深夜の割増賃金等の規定を適用除外とする。
●また、制度の対象者について、在社時間等が一定時間を超える場合には、事業主は、その者に必ず医師による面接指導を受けさせなければならないこととする。(労働安全衛生法の改正)
<< 戻る